書道ではなく習字、祖父のこと

私の祖父は定年後に書道を習い、その真面目な性格も相まって段を取り、子どもに習字を教えていた。自宅の脇にプレハブの小さな教室を開き、「週に何度来てもいいこと」「必ず30分はやっていくこと」を規律としてはじめた習字教室だった。月謝はいくらだったのか当時、中学生だった私は知らなかったが、時間が決められていないこと、で評判が広まりけっこう多くの子どもたちが通っていたことを記憶している。祖父が『先生』と子どもに呼ばれているのを聞いたとき、なんだか嬉しかったことも覚えている。

そんな私は小学生の頃に習字を習っていた。「習い事」をさせたかった親と自分の興味もあって通いはじめたのだが、私は良い生徒では無かった。習字は集中力を要する。友だちがいるとおしゃべりをし、または周囲に気をとられまったく集中など続かなかった。いつしか、教室自体が億劫になり何も得ることも無く私は習字をやめてしまった。なので、中学生になった私には祖父がはじめた習字教室にまるで関心が無かった。


祖父が不治の病で入院することになり教室は閉じた。祖父に習っていた子どもたちは希望を取り祖父の知り合いの書道教室に移ったり、教室を閉じると同時に習字をやめてしまった子どもたち、様々だった。私はもう成人していた。やがて、祖父が他界し、ずっとそのままだった教室を片付けることになり祖父が使っていた硯や筆、たくさん残された習字紙をみたとき、ものすごく私は後悔した。自分は何故、習字をやめてしまったのか…と。何故、祖父に習わなかったのか…と。気づくのはあまりに遅く、いまだに後悔の念は続いている。

なんとなくふと思い出すこと。
思い出しては祖父の真摯な姿と甘いものが大好きだった優しく茶目っ気のある祖父の笑顔が脳裏に浮かぶ。




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テーマ : 備忘録的なもの
ジャンル : 日記

tag : 習字 書道 習い事

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