本にまつわる思い出話

高校時代の3年間、図書委員をしていたころの話です。
当時、私の通う高校には1学年に5クラスあり、同じ中学から進学した同級生は別として、人見知りの私は、入学当初、なかなか友人が出来ませんでした。それに加えて、その当時、ハマって読んでいたある作家さんの本があり、通学のバスの中はもちろん、教室の中でも休み時間になると本を読みふけっていたんです。私にとってはその時間がとても楽しくて。でも、周囲からすれば、私の行為はその場に似つかわしくないことだったのかもしれません。入学して1ヶ月くらいたったある日のこと、放課後に担任の先生に呼ばれて言われたことは
「どうして、いつもひとりでいるのか?」ということでした。
周囲とも話さず、誰かといっしょにいることもなく、休み時間にひとり黙々と本を読んでいるわけだから、先生は、そんな私の姿が心配になったんだと思います。
「何かいやなことでもあるの?さびしくないの?」とも聞かれ、まったくそんなことは頭に無かったのでそのときは首を横に振ったけど、そのときの私には、先生の「どうして、いつもひとり?」の言葉だけ心に響いてしまっていました。本を読む行為というのは独りだけの楽しみだけど、どうして「本=ひとりぼっち=さびしい」という図式になるのが私には理解できませんでした。

その後、「本が好きな子」という名目で、私はクラスの図書委員に選ばれました。そこには、担任の先生の「この子には何かを与えればやる気が出るだろう」的な考えが合った気がします。「やる気」というのは、周囲とのコミュニケーションをとれるだろう・・的な意味で。

父が、気に入った本があれば、すぐに買ってくる人だったし、その影響で小さい頃から本といっしょにいることが好きだった私は、本に囲まれていると落ち着く感じで、それは、大きくなってからもそうだけど、図書委員に選ばれてからは、毎日、放課後になると学校の図書室で過ごしてました。そこは、教室より居心地が良く、図書カウンターの奥にある小さな部屋は、いつのまにか私の居場所になってしまいました。私と似た様な感じの「本が好き」な女子が何名か集まり、それぞれの好きな本について話すのも楽しくいつしか、そこで友人と呼べる人も出来ました。
書棚の整理や、カウンターでの貸し借り業務や、新しい本のラベル貼りや古い本の修繕や、下校時間になるまで、毎日、毎日、そこで過ごしてました。

図書委員会の仕事のひとつとして「館報」の発行があり、私は、その作業が気に入ってました。「館報」というのは、図書室からの案内みたいなモノをまとめた小冊子で、中身は新刊本の紹介や、先生・生徒へテーマを決めて執筆をしてもらったり、絵が得意だと評判の生徒には、表紙や挿し絵としてのイラスト掲載をお願いしたり、印刷・製本はプロの方に依頼するけど、冊子の構成は自分たちで考えて・・・っていうような図書委員会としては年に一度の大事業でした。高校生活、何をしたかって聞かれたとき、真っ先に答えるのが、私は、コレで。いや、コレしかやってない気もするのですが。でも、それに関わっているときは楽しい時間でした。3年生のときは、図書委員長に選ばれたり、なので館報作りも中心になっておこなうことになったりして、入学したばかりの頃の自分とは別人のような信じられないくらいの変化だったけど、思えば、1年生のあのとき、担任の考えたとおりに私はなったのかもしれないなーと、今も、時々、高校時代のことをなつかしく思い出します。
図書室担当の先生が生真面目で、おとなしい女性教師で、だけど、本についての知識は多く、ただ、本の虫というイメージがあったので「先生みたいになりたいなー」とは思わなかったけど、「司書」というものにあこがれた時期もありました。あこがれだけで、終わってしまいましたけど。

こんなことからも思うことは、人って生きていくなかで分岐点っていろいろあって、そのうちのどちらかを選んで今の自分があるんだなーって思いますね。「あのとき、こっちの道に進んだら、今の私はどうなっていたんだろう。まったく別の人生を歩んでいたんだろうか。」と。でも、別の道を歩いていたら、今、出会った人たちと会うこともなかったかもしれないと思うと、今の自分でよかったということに落ち着くんですけどね。

自分語り、でした。古い話です。

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