「セチュアンの善人」を観た

もう、だいぶ過ぎてしまったけど、少し前に「セチュアンの善人」(セツアンの善人)という演劇をみました。作者はドイツの作家、ブレヒト。東京演劇アンサンブルの人たちが演じました。 時間でいうと、2時間20分くらいの途中に休憩無しの劇でしたが、長時間にもかかわらず飽きることはありませんでした。 話の内容は難しかったけど、台詞も演出もわかりやすく 台詞は「舞台」のそれだったけど、 演出は趣向を凝らしていて、登場人物の格好や立ち振る舞い、照明やスモークの使い方や音楽や、とても良かったです。 ひき込まれました。なかでも印象に残ったのは、 主役のひとり、「善人」のシェン・テが白いスーツ姿の男に変身した「悪人」のシュイ・タになったときの歩き方。 背筋をのばしながら極端に前かがみになり下へ傾いて歩く、 次の一歩は背筋を思い切り反らし、極端に上へ傾いて歩く。 仮面をつけて、そうやって歩くその姿は、何か異様な雰囲気で圧倒されました。


パンフレットにはこう書かれていました。

上を向くのは理想の姿、下を向くのは現実の姿。
その二つの姿は、引き裂かれる心の葛藤を描いている。





人が良くある、というのはどういうことなのか。「いいひと」が「いいひと」としてやっていけない世界をこの舞台は描いています。 今から70年も前の話なのに、それって、今の世の中にも通じる気がして観終わったあと、考えさせられました。何が善で、何が悪なのか、毎日、報道されるニュースを見たり聞いたり、日々の暮らしの中でさえ、疑問に思い、矛盾を感じることが多いです。この劇は、この世の中に充満している矛盾を、 滑稽ともいえるぐらいに誇張して典型的ともいえる人間という姿をそれぞれの登場人物によって表現し人間の二面性と、この世界の不条理さ、そして、どんなことがあっても、生きていかなければならないということを訴えているのでしょうか。
劇の終わりに、ひとり二役が限界になったシェン・テは途方に暮れて舞台にへたりこみ、絞り出すように「助けて」と叫びます。これから、どうやって生きていくの・・・と演劇であるということを忘れて観ているこちらの胸が痛みました。








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tag : おでかけ 観賞

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