緒形拳さんを偲んで  「帽子」

先日、NHKで再放送された「帽子」録画していたのを見ました。
出てきた帽子の仕立て屋さんの様子が、昔々の私の実家で祖父がミシンを踏む姿に通じるものがあり、懐かしく感じられました。




それはともおき、いいドラマでした。

心の奥には誇りを持ちながら手作りの帽子を作る職人、
そんな職人役を緒形さんが味わい深い演技で見せてくれました。
心の奥にずうっとひっかかっている、ほろ苦い過去へのわだかまり。
そんな心の様子を淡々と演じる緒形さんの表情がよかった。
再会した思い出の女性を田中裕子さんが演じてて、
ふたりが再会したシーンのふたりの様子が、とても深いものがあり、
なんて、上手いんだぁと思いました。
その彼女に対して屈折した思いを抱く息子役の玉山鉄ニさんも好演でした。

舞台は広島から東京。いまだに心に残る戦争で出来た悲しみも
充分伝わってきたし、被爆者差別とか、離れ離れになった親子のこと、老いて行く人の姿や生きていくための誇り、それに実らなかった切ない恋等、色々なテーマが散りばめられていて実に見応えがありました。

若い玉山さんを受け止める緒形さんの笑顔がすごく優しい。
そこに悲哀はあるけれど、暗さがなく、ただ温かいんです。

あんなふうに年をとれたら、いいのに・・・というお手本とさえ思わせてくれました。

このドラマが終わってから、追悼番組もあったんです。
その中に「帽子」を脚本した池端俊策さんが出られていました。
緒形さんと親しくお付き合いをされた様子として、
骨董品を見る時の話のなかで、自分はひとつ、ひとつ見ていくけれど、
緒形さんは、さっと見て、その時、目にとびこんでくるものを買われたと言っていました。
すごく感覚的で、対応が早かった、のだそうです。

他に、津川 雅彦さん、緒形 幹太さん、緒形 直人さん、高畑淳子さん、中村橋之助さんなど、俳優として、父親として、友人として、それぞれ緒形さんの人柄の深さや温かさを伝えつつ、なんとなく、まだ亡くなったなんて実感がないような口調も感じて、時には笑顔で思い出話やエピソードを心を込めて語っているような気がしました。


去年の大河「風林火山」で共演したガクちゃんのコメントは、
「(現場で)こんなに甘えてもいいんだ、と初めて思えたのに」といって涙をこぼしていました。
この涙が私の心に残りました。

人が亡くなると、身内の人たちは、すぐには事実を受け止めにくいだろうけど、
これから、ふっと些細なことで生前との変化を感じて
改めて「もういないんだ」って実感するのかもしれないけれど
悲しい想いはなかなか消えてはくれなくて、まだ涙は溢れてくると思うけど
でも、この番組をみて、緒形さんの表情から、多くのパワーをもらったような気がします。
心の中には、生きつづけるものなんですよね。

会いたくなったら、レンタルして作品をみていこう。
そこには、緒形さんが変わらない姿でいるんですもの。

本当に、いい役者さんでした。
ご冥福をお祈りいたします。
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テーマ : NHKドラマ
ジャンル : テレビ・ラジオ

tag : ドラマ

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